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第81話 取材

Penulis: G3M
last update Terakhir Diperbarui: 2026-01-23 01:41:32

 範経が秘書役のレイを伴ってアルゴーの会議室に入ると、テレビ局のディレクターとその部下と思われる二人の男が椅子に座っていた。

 二人の男は範経を見ると素早く立ち上がった。がっしりとした体つきでぼさぼさ髪の中年男は、目尻に深いしわを作りながら範経と握手をした。厚手のチェックのシャツにくたびれたズボンをはいている。

「初めまして。プロジェクトZ『能力拡張の限界に臨む ~フォーシスターズの挑戦~』担当ディレクターの石井智一です。この度は取材にご協力くださってありがとうございます」

「こちらこそ初めまして。社長の塚原範経です。わざわざお越しくださってありがとうございます。取材していただけるのは弊社として大歓迎ですよ」と範経。

 二人は形式的に名刺を交換した。

「ご挨拶が遅くなり、大変失礼いたしました」と石井。

「私はただのお飾りの社長ですから、挨拶なんてお気になさらないでください」と範経。「撮影はフォーシスターズへのインタビューが目的と聞きましたが、いかがでしたか? 問題があればおっしゃってください。」

「塚原副社長にお世話になりました。おかげさまで、予定していた撮影が無事終了しました」と石井ディレクター。

「それはよかった」と範経。「実は私、現場についてよく知らないんですよ」

「しかしお飾りとはいえ、お若いですね」と石井。

「高校生です」と範経。「弊社『アルゴー』は私の両親がはじめたベンチャー企業ですから、仕方がないのです」

「事情があるのですか?」と石井。

「もともと父親が社長、母親が副社長だったのですが、突然離婚してしまったのです。それで会社が分裂して、倒産しそうになったのですよ。その後の立て直しの際に、私が社長に担ぎ出されました。もともと仕事にかかわっていなかったので、しがらみがなくて都合がよかったのです」と範経。

「それは知りませんでした」と石井。「それは大変でしたね」

「仕方ありません」と範経。「両親が離婚したとしても、会社が家族経営であることには変わりありませんので。元家族の蝶番の役ぐらいはしますよ」

「仕事にはかかわっておられないのですか?」と石井。

「雑用程度です。少しは役に立たないと居心地が悪いので」と範経。「ところで、撮影を終わられたということですね。もうお帰りですか。お見送りしますよ」

「じつは、一つだけお願いがあるのです」と石井。

「何でしょうか
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     範経が秘書役のレイを伴ってアルゴーの会議室に入ると、テレビ局のディレクターとその部下と思われる二人の男が椅子に座っていた。 二人の男は範経を見ると素早く立ち上がった。がっしりとした体つきでぼさぼさ髪の中年男は、目尻に深いしわを作りながら範経と握手をした。厚手のチェックのシャツにくたびれたズボンをはいている。「初めまして。プロジェクトZ『能力拡張の限界に臨む ~フォーシスターズの挑戦~』担当ディレクターの石井智一です。この度は取材にご協力くださってありがとうございます」「こちらこそ初めまして。社長の塚原範経です。わざわざお越しくださってありがとうございます。取材していただけるのは弊社として大歓迎ですよ」と範経。 二人は形式的に名刺を交換した。「ご挨拶が遅くなり、大変失礼いたしました」と石井。「私はただのお飾りの社長ですから、挨拶なんてお気になさらないでください」と範経。「撮影はフォーシスターズへのインタビューが目的と聞きましたが、いかがでしたか? 問題があればおっしゃってください。」「塚原副社長にお世話になりました。おかげさまで、予定していた撮影が無事終了しました」と石井ディレクター。「それはよかった」と範経。「実は私、現場についてよく知らないんですよ」「しかしお飾りとはいえ、お若いですね」と石井。「高校生です」と範経。「弊社『アルゴー』は私の両親がはじめたベンチャー企業ですから、仕方がないのです」「事情があるのですか?」と石井。「もともと父親が社長、母親が副社長だったのですが、突然離婚してしまったのです。それで会社が分裂して、倒産しそうになったのですよ。その後の立て直しの際に、私が社長に担ぎ出されました。もともと仕事にかかわっていなかったので、しがらみがなくて都合がよかったのです」と範経。「それは知りませんでした」と石井。「それは大変でしたね」「仕方ありません」と範経。「両親が離婚したとしても、会社が家族経営であることには変わりありませんので。元家族の蝶番の役ぐらいはしますよ」「仕事にはかかわっておられないのですか?」と石井。「雑用程度です。少しは役に立たないと居心地が悪いので」と範経。「ところで、撮影を終わられたということですね。もうお帰りですか。お見送りしますよ」「じつは、一つだけお願いがあるのです」と石井。「何でしょうか

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